民泊市場はここ数年で大きく変化しました。新型コロナウイルスの影響で一時的に観光客が激減しましたが、2023年以降、インバウンド需要の回復が進み、京都も再び人気の観光地となっています。京都で民泊を運営する上での最新状況を分析し、成功の可能性を探ってみます。
京都の観光市場状況
近年、京都は訪日観光客が増えています。2025年には訪日外国人旅行者数が4,000万人を超えると予測され、特に、欧米圏からの長期滞在者、アジア圏からの団体旅行者、ワーケーションやリモートワーク需要の増加が見込まれています。
観光客は、従来のホテルではなく、より広いスペースや地元の生活を体験できる民泊を好む傾向があります。2025年以降、適切な運営ができれば、民泊は十分に利益を生み出す事業になり得ます。
京都の民泊規制とハードル
民泊を成功させるためには、京都市の厳しい規制をクリアする必要があります。
京都市では、住居専用地域での民泊営業は年間180日以内に制限されています。さらに1月15日~3月15日以外は営業できません。
(商業地域や準工業地域では旅館業の簡易宿所許可を取得すれば、年間を通して運営することが出来ますが、費用がかかります。)
近隣住民とのトラブル回避策
京都は歴史的な街並みゆえ地元住民の民泊に対する警戒感が強いです。
だから、アパートの一室を借りるよりも、戸建ての方がトラブルが少ないので、一棟貸しの物件を探す方が良いでしょう。防音対策・ゴミ出しルールの徹底も必要です。近隣住人の関心は、環境を乱さない人かどうかです。清掃にも目を光らせています。万が一の場合の緊急対応をスムーズにする為、管理会社の活用も検討すべきです。
収益性とコストの分析
民泊事業が成功するかどうかは、収益性と運営コストのバランスが大切です。しっかり計画を立てましょう。
★ 収益の見込み
京都の中心部で民泊を運営する場合の売上見込み額の計算
- 一泊あたりの宿泊料:15,000円~40,000円(立地や設備による)
- 月間稼働率:60~80%(人気エリアなら90%以上も可能)
- 年間売上:600万円~1,500万円(1物件あたり)
★★ 運営コスト
- 物件取得費:2,000万円~5,000万円(購入の場合)
- リフォーム費用:100万円~500万円(町家再生など)
- 清掃・管理費:月5万円~15万円
- ポータルサイト手数料:売上の10~15%
見込み額から運営コストを引くと、年間の利益は300万円~800万円程度となります。この利益に満足できるのであれば民泊を始めても良いでしょう。この利益に納得できない人は民泊事業はやめておいた方が無難です。
競争の激化と差別化戦略
京都はすでに民泊施設が多く、競争が激しくなっています。成功するためには、差別化を考えましょう。
ターゲットを明確にする
- 家族向けの広い物件(子供連れ旅行者向け)
- ワーケーション向けの快適なWi-Fi環境
- 伝統体験付きの宿泊プラン(茶道・着物体験など)
- 町家や古民家を活用し、日本らしさを演出する(外国人は日本らしさが好き)
民泊に適した物件を探す
- 戸建て or 一棟貸し(住民トラブルを避けるため、集合住宅は難しい)
- 和風の建物(町家・古民家は人気が高い)
- リフォーム済み or リフォーム可能(水回りや内装の状態)
- 駐車場の有無(郊外では駐車場があると便利)
集客しやすいエリアを選ぶ
- 観光客が多いエリア
- 祇園・清水寺周辺(東山区)
- 京都駅周辺(下京区)
- 四条河原町・烏丸周辺(中京区)
- アクセスの良いエリア
- 駅近(徒歩10分以内)
- バス停が近い(主要観光地へのアクセスが良い)
- 静かで落ち着いた環境(ファミリー向け)
- 嵐山・北野天満宮周辺
まとめ ≫≫
2025年の京都で民泊を成功させることは十分に可能ですが、戦略が重要です。
- 適切なエリアで許可を取得する(旅館業の簡易宿所許可が理想)
- 競争を意識し、ターゲットに合った物件を選ぶ
- 収益性とコストのバランスを考慮する
- 近隣住民とのトラブルを避ける対策をする
民泊市場は変化が激しいため、常に最新の市場動向をチェックしながら、柔軟に対応していきましょう。
京都市最新規制情報
京都市で民泊(住宅宿泊事業)を運営する、最新の規制情報をまとめます。
1. 法的枠組み
民泊を営むには、以下のいずれかの法的手続きを行う必要があります。
- 旅館業法の許可取得:簡易宿所営業として許可を受ける。
- 住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届出:住宅宿泊事業者としての届出を行う。
2. 京都市の独自ルール
- 住居専用地域での営業制限:住居専用地域での民泊営業は、旅行需要の少ない冬季(1月15日から3月15日まで)のみ許可されています。
- 共同住宅での営業制限:共同住宅内での民泊営業は、旅館業法に基づく簡易宿所としての許可が必要で、施設と住宅の混在を制限する規定が設けられています。
3. 違法民泊への対応
京都市では、違法な民泊に関する通報や相談を受け付ける窓口を設置しています。市民は、違法な民泊に関する苦情を市に通報することができ、市は事業者に対して適正な民泊運営の指導ができます。
4. 最新情報の確認
規制や手続きは変更される可能性があります。
民泊事業を検討されている方は、これらの規制を十分に理解し、適切な手続きを行うことが必要です。地域社会との調和を図りながら、安全で快適な宿泊環境を提供することが事業成功への近道です。
京都民泊事業市場動向
京都市は、観光需要の高まりを受けて、民泊市場が急速に拡大しています。 2014年に策定された「京都観光振興計画2020」では、2020年度の外国人宿泊客数の目標を年間300万人としていましたが、実際には2018年に約450万人に達し、わずか5年で約4倍の増加を記録しました。
2014年から2018年にかけての総客室数の増加分の56%が簡易宿所であり、全宿泊施設の総客室数に占める簡易宿所の割合は2%から27%へと急増しています。
民泊の急増に伴い、地域住民とのトラブルや生活環境の悪化などの問題も浮上しています。 これに対応するため、2018年9月には「京都民泊対策住民ネットワーク」が発足し規制強化が行われています。
京都市は、全国一律の法律に加え、市内の民泊の現状を踏まえた独自のルールがあります。
全国的な傾向として、民泊や貸別荘の市場規模は拡大し、2023年の年間宿泊消費額は、ペンション・民宿・貸別荘で約1,094億円、民泊で約260億円と推定されています。
今後、京都市の民泊市場は、観光需要の回復とともに拡大の見込みです。