大家業とは、不動産を所有し、賃貸することで収入を得るビジネスです。相続や贈与で所有した物件や、投資用に買った物件を賃貸に出して、毎月、家賃収入を得られますが、空室リスクや家賃滞納、物件の劣化などのリスクも伴います。リスクを管理し、長期安定した収入を確保するための戦略が必要です。
大家業のメリットとデメリット
メリット
- 安定した収入: 入居者がいる限り、毎月一定の収入が期待できます。
- 資産形成: 不動産は実物資産であり、価値がゼロになることは考えにくいです。入居者がいなくなった場合でも、自分で住むことや売却して現金化することが可能です。
- 節税効果: 不動産投資には税金の節約が可能なスキームがあり、特にサラリーマン大家の場合、本業の所得税や住民税を圧縮することができます。
- ★★★税制優遇措置 ~『課税対象となる所得』を損益通算する事で税金の還付を受けることができる ~ 建物の減価償却は大きな経費として計上できる為、税金の軽減に寄与します。物件の購入価格を法定耐用年数にわたって経費として計上し、計算上の所得を減少させることが可能です。実際のキャッシュフローがプラスであっても、税金計算上は赤字になります。この赤字を本業の所得と損益通算する(赤字を給与所得から差し引くことができる制度)ことで、全体の所得を圧縮し、結果として所得税や住民税の負担を軽減できます。
- 融資のしやすさ: サラリーマンとして安定した収入がある場合、金融機関からの融資審査が通りやすく、物件購入の際に有利です。
- 副業としての柔軟性: 大家業は管理会社に委託することができるため、本業に影響を与えずに副業として収入を得ることが可能です。
- ★★★気をつけたい物件の利回り~ 物件の立地や状態、築年数によって大きく異なる ~ ★表面利回り: 中古物件の表面利回りは、通常4%から10%の範囲にあります。 特に、築年数が20年以内の物件では6%前後、20~35年の物件では7%から10%が相場とされています。 ★実質利回り: 実質利回りは、経費を考慮した後の利回りであり、表面利回りよりも低くなります。物件の管理費や修繕費、空室リスクなどを考慮するため、実質利回りは通常3%から8%程度とされています。 ★理想的な利回り: 中古物件の理想的な利回りは、立地や市場の状況によりますが、一般的には10%を目指すことが推奨されています。
デメリット
- 初期投資の負担: 物件購入や改修・リフォーム、諸経費にかかる初期投資が高額になり、資金準備が大きなハードルとなります。
- 管理の手間とコスト: 入居者の管理や物件の維持管理には時間と労力がかかります。家賃滞納や空室リスク、物件の価値下落、トラブル対応やメンテナンスが必要で、さまざまなリスクが伴います。管理を自分で行う場合は、、かなりの負担が伴います。管理会社に委託すると、その分のコストが発生します。
- 専門知識の必要性: 不動産投資には法律や税務に関する知識が求められます。知識が不足していると、業者に依存しすぎて失敗します。
結論
大家業は、安定した収入源や資産形成の手段として注目されていますが、リスクや管理の手間も伴います。成功するためには、適切な物件選びや良い管理会社選びが重要です。十分な知識を持ち、管理会社に任せっぱなしにならないよう注意しましょう。減価償却や損益通算、青色申告、法人化などの手法を駆使し税負担の軽減を行い大家業を成功させましょう。
税制優遇措置
★★★青色申告の活用 不動産投資を行う際には、青色申告を選択することが推奨されています。青色申告を行うことで、最大65万円の控除を受けることができ、さらに損失の繰越や繰戻しが可能になります。これにより、税負担をさらに軽減することができます。 ★★★法人化の検討 不動産投資が軌道に乗り、収益が安定してきた場合には、法人化を検討することも一つの手段です。法人化することで、個人の所得税率よりも低い法人税率が適用されるため、税負担を軽減できます。また、法人では経費として計上できる範囲が広がるため、さらなる節税効果が期待できます。 ★★★減価償却 減価償却とは、固定資産の取得価額をその資産の耐用年数にわたって分割して経費計上する方法です。資産の価値が時間とともに減少することを会計上で反映させます。減価償却の対象となるのは主に「建物」の部分であり、土地は減価償却の対象外です。 ★減価償却の計算 定額法(毎年同じ金額を減価償却費として計上する方法です。) 減価償却費=取得価額×定額法の償却率減価償却費=取得価額×定額法の償却率
- 取得価額: 不動産の購入価格から土地の価格を除いた建物の価格。
- 償却率: 法定耐用年数に基づいて木造住宅の耐用年数は22年、鉄筋コンクリート造の住宅は47年などです。
定率法(未償却残高に対して一定の割合を掛けて減価償却費を計算する方法です。) 定率法は、事前に届出が必要です。現在の税法では新たに取得した建物に対しては主に定額法が適用されます。
- 土地の価格を除外: 減価償却の対象は建物部分のみであり、土地の価格は含めません。
- 耐用年数の確認: 購入した不動産の構造や用途に応じた法定耐用年数を確認することが重要です。
- 経過年数の考慮: 中古物件を購入した場合は、残存耐用年数を計算する必要があります。残存耐用年数は、法定耐用年数から経過年数を引いたものです。
市場調査の方法
賃貸需要の把握: 物件を賃貸に出す前に、地域の賃貸需要を調査することが重要です。空室率や周辺の物件の入居状況を確認しましょう、競合となる周辺の物件を調査し、家賃相場や空室状況を把握します。駐車場の有無や設備の充実度などがポイントです。
不動産価格の相場把握: 地域の不動産価格の動向を把握するために、過去の取引データや価格指数を調査します。レインズマーケットインフォメーション(不動産流通機構が運営するサイト)で、全国の不動産取引情報や過去の成約価格を検索する。地域別に平米単価や間取り、築年数などの情報を確認できます。不動産情報ライブラリー( 国土交通省が運営するシステム)では、実際の取引価格に基づくデータが提供されており、土地や建物の取引価格を調べることができます。
不動産ポータルサイト: 中古住宅や一戸建ての売り出し価格を調べるために、アットホームやSUUMOなどのサイトを利用します。現在市場に出ている物件の価格を把握できます。
公示地価や基準地価で地域の相場を把握する。 「公示地価」は 国土交通省が発表する。公示価格とも言われ、2人以上の不動産鑑定士が鑑定し、それぞれの鑑定結果を加味した上で決定される。毎年1月1日の評価が、3月中旬頃に公表されます。基本的に対象は都市計画区域内となっていますが、都市計画区域以外でも不動産の取引が行われると予想される土地に関しては鑑定が行われます。
「基準地価」は、各都道府県が発表する。毎年7月1日の評価が9月20日頃に公表される。土地の標準価格のことで、評価の対象となるのは全国の約2万地点の「基準地」です。基準地価の評価方法は公示地価とほぼ同じですが、都市計画区域内以外も含まれる点、基準地価では不動産鑑定士が1人以上という点が公示価格とは異なります。
1月1日時点の「公示地価」と7月1日時点の「基準地価」を比較することによって半年ごとの評価の動向を計り、最新のデータを確認することが重要です。
地域経済分析: 地域の経済状況や人口動態を分析することで、将来的な賃貸需要を予測し、より具体的な大家業を始める計画を立てましょう。