「変動金利で組んだけど、返済額が増えたらどうしよう」
その不安、放置しないでください。
「家を買ったとき、変動金利を選んだ。あのとき固定にしておけばよかった?」
「これから不動産投資を始めたいけど、金利が上がっているなら今は待った方がいい?」
「投資物件のローン、借り換えを検討すべき?」
最近、こういったご相談がとても増えています。
2026年4月、多くの銀行が変動金利を一斉に引き上げ、メガバンクの変動金利平均は年1%を超え、15年ぶりの水準になりました。SNSでは不安の声が飛び交い、「変動から固定に借り換えるべき?」「繰上返済したほうがいい?」といった相談が急増しています。
宅建士として、そして自分自身も滋賀・京都エリアで物件を持つ投資家として、正直にお伝えします。
「何となく不安」のまま動くのが一番危ない。正しく知って、冷静に判断することが大切です。
この記事では、
- 今の金利上昇で「実際に何が起きているか」
- 不動産を買う人・持っている人・売りたい人それぞれへの影響
- 宅建士視点での「今やるべきこと・やってはいけないこと」
- 具体的なアクション
を、できるだけ分かりやすくお伝えします。
2026年住宅ローン金利に何が起きているのか
まず現状を整理します。

☝️ 日銀の利上げが続いている
2026年5月現在、住宅ローン金利は変動・固定ともに上昇傾向が続いています。変動金利は、2025年12月に日銀が政策金利を追加利上げした影響を受け、4〜5月は各金融機関で基準金利と最優遇金利が引き上げられました。
日本銀行は2026年4月28・29日の金融政策決定会合で、政策金利を0.75%に据え置くことを決定しました。ただし今回の会合では3名の委員が1%への引き上げを求める修正案を提示し、日銀内部でも大きく意見が割れていることを示す出来事となりました。
市場では、次回2026年6月の会合での追加利上げが高い確率で織り込まれており、変動金利は2026年10月に多くの銀行が、一斉に年0.25%程度引き上げると予想されています。
☝️ 固定金利はすでに2%台に
全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」の金利は、2026年1月に2.08%と2%を超えました。
ひと昔前(2020〜2022年頃)は、1%前後で借りられたことを考えると、わずか数年で大きく変わったことが分かります。
☝️ 変動と固定の金利差は今どのくらい?
2026年5月時点での変動金利と固定金利の金利差は年1.63%です。「変動金利が年1.63%以上上昇し、それが35年間続くのであれば固定金利を使う方が有利」ということになります。
つまり、今すぐ固定に乗り換えるべきかどうかは、「これからどこまで金利が上がるか」次第という状況です。
【買う人へ】
「今、不動産を買うのは正解?」
「金利が上がっているから、買うのを待った方がいい?」
この質問への答えは、「何を・どこで・どんな目的で買うか」によって大きく変わります。
実需(自分が住む家)で買う場合
住む家を探している方にとっては、金利を待つ戦略にはリスクがあります。
なぜなら、金利が落ち着いたとしても、その頃には物件価格自体が上がっている可能性があるからです。
「金利が下がるまで待つ」と決めたとしても、その間も家賃は払い続けます。「家賃を払いながら待つコスト」と「今の金利でローンを組むコスト」を比較することが大切です。
宅建士としてお伝えしたいこと: 自分の収支を踏まえ、「今の金利水準でも無理なく返せるか」を確認した上で判断することが先です。「もし金利が1%上がったら月々いくら増えるか」を事前に計算してから動いてください。
投資目的で買う場合
投資物件を購入する場合は、より慎重な判断が必要です。
金利上昇は、「融資を使って利益を出す」投資の前提条件を変えます。借入金利が上がれば、同じ家賃収入でも手残り(キャッシュフロー)が減ります。
しかし、私自身が空き家・格安物件への投資を続けているのは、理由があります。現金で買える価格帯(200万円以下)の物件を狙っているからです。
融資に頼らない投資スタイルであれば、金利上昇の影響を直接受けません。これが格安物件投資の強みの一つです。
【今ローンを持っている人へ】
返済額はどう変わる?
すでに変動金利でローンを組んでいる方が最も気になるのが、「実際いくら返済額が増えるのか」だと思います。
参考 → フラット35のシミュレーション
5年ルール・125%ルールを知っておく
多くの金融機関の変動金利ローンには、「5年ルール」と「125%ルール」があります。
- 5年ルール:金利が変わっても、返済額の見直しは5年に一度
- 125%ルール:返済額の見直しがあっても、前回の125%(1.25倍)を超えない
つまり、利上げがあったからといってすぐに返済額が増えるわけではありません。
ただし注意が必要なのは、「返済額が増えないだけで、金利分は未払いとして蓄積される」こともあるので、長期的には元本が減りにくくなるリスクがあります。
具体的な数字で確認する
借入4,000万円・35年返済の場合、金利が1.0%から2.0%に上がると、月の返済額は約2万円増えます。
月2万円というと「そこまで大きくない」と感じるかもしれませんが、年間では24万円、35年で840万円の差になります。
今すぐできること: 自分のローン残高・残期間・適用金利を確認し、「金利が0.5%・1%上がったら月々いくら増えるか」をシミュレーションしておくことをおすすめします。
借り換えを検討すべきか?
「変動から固定に乗り換えるべきか」という判断は難しいですが、シンプルな判断軸があります。
- 残期間が長い(20年以上)→ 固定への乗り換えを検討する価値あり
- 残期間が短い(10年以下)→ 乗り換えのコストが見合わないことが多い
- 手元資金に余裕がある → 繰り上げ返済も選択肢
- 現在の金利が市場より明らかに高い → 同じ変動でも他行への借り換えが有効
借り入れた銀行が日銀の利上げ幅以上に大幅な金利引き上げを続けるようであれば、他行に借り換えるのがよいでしょう。
【売りたい人へ】
金利上昇で不動産価格はどうなる?
「金利が上がると、不動産価格は下がる」というのは一般論ですが、実際はもう少し複雑です。
✅ エリアによって影響が全く違う
都市部(大阪市内・京都市内など)の好立地物件は、富裕層・法人・海外投資家の需要が根強く、金利上昇の影響を受けにくい傾向があります。
一方、郊外・地方の物件は融資を使って購入する実需層の影響を受けやすく、金利上昇によって買える人の数が減り、価格が下押しされるリスクがあります。
✅ 売るなら「今」が有利な可能性
売却を考えている方にとっては、「まだ買い手の懐が余裕のある今」の方が高値で売れる可能性があります。
金利がさらに上がり、買い手のローン審査が通りにくくなってからでは、売却価格の交渉で不利になることもあります。
「いつか売ろう」と思っているなら、早めに動き始める方が、選択肢が広がります。

なぜ多くの人が金利上昇に対応できないのか?3つの落とし穴
ここまで「買う・持つ・売る」それぞれの話をしてきましたが、実際には「分かっているけど動けない」という方がとても多いです。
なぜ対応が遅れてしまうのか、よくある落とし穴を3つ紹介します。
落とし穴①
✅ 「低金利は永遠に続く」という思い込み
日本は約30年にわたって超低金利が続いてきました。0.3%や0.4%の変動金利が当たり前の時代が長く続いたため、「金利は上がらないもの」という感覚が染み付いている方が多いのが現実です。
私自身も、宅建士の勉強を始めるまで、「金利が上がったらどうなるか」をきちんと考えたことがありませんでした。低金利前提で組まれた返済計画が、金利上昇によって崩れるリスクをリアルに想像できていなかったんです。
「うちはまだ大丈夫」ではなく、「今の金利水準で自分の返済はどうなるか」を一度確認することが大切です。
落とし穴②
✅ 「5年ルール・125%ルールがあるから安心」という過信
変動金利には前述の2つのルールがあるため、「急に返済額が増えることはない」という安心感を持っている方が多いです。
ただしこれは「返済額が増えないだけ」であって、「金利コストが増えていない」わけではありません。
金利上昇分が元本に上乗せされていく「未払い利息」の問題は、長期間・高額のローンほど無視できないリスクになります。ルールに守られている安心感が、かえって問題の発見を遅らせることがあります。
落とし穴③
✅ 「借り換えは面倒」という先送り
金利が上がったと感じても、「借り換えの手続きは面倒」「どこに相談すればいいか分からない」という理由で放置している方が少なくありません。
借り換えには確かに手間と費用がかかりますが、条件次第では数百万円単位で総返済額を減らせることもあります。まず一度シミュレーションをするだけでも、判断の材料が大きく変わります。
「面倒だから」という理由で先送りにしていると、その間にも利息は積み上がっていきます。
具体的アクション:今日からできること
✅ 自分の住宅ローンの「適用金利」を今すぐ確認する
返済予定表や銀行のマイページで、現在の適用金利を確認してください。「何%で借りているか」を把握していない方は意外と多いです。
✅ 「金利が1%上がったら月々いくら増えるか」をシミュレーションする
各金融機関のウェブサイトや無料のローンシミュレーターで、金利上昇時の返済額変化を確認しましょう。「漠然とした不安」が「具体的な数字」に変わると、冷静に判断できます。
✅ 残期間・残高に応じて「繰り上げ返済 vs 借り換え vs 現状維持」を比較する
正解は人によって違います。残期間が長いほど借り換えの効果は大きく、残期間が短いほど繰り上げ返済の効果が相対的に高くなります。
✅ 投資物件を検討中の方は「融資に頼らない価格帯」を狙う
金利上昇局面では、現金購入できる格安物件のメリットが際立ちます。200万円以下の物件であれば、金利の影響を受けずに投資を始められます。
✅ 売却を検討しているなら、今すぐ査定を依頼してみる
「今いくらで売れるか」を知ることは、タイミングを判断するための最初の一歩です。査定は無料でできますし、それだけで決断しなくても構いません。
まとめ
金利上昇は「チャンスを見分ける力」がある人には追い風になります!
「金利が上がる=不動産投資はやめた方がいい」ではありません。
金利上昇局面では、融資に頼って高額物件を買っていた人が撤退し、一方で現金で格安物件を狙える人にとってはライバルが減るという側面があります。
大切なのは、自分の状況を正しく把握して、感情ではなく数字で判断すること。
「なんとなく不安」で動くのではなく、「今の金利水準で自分はどうすべきか」を一度立ち止まって考えてみてください。
「自分のローン、このままでいいの?」「投資物件、今が買い時なの?」
個別の状況をもとに、宅建士・キャサリンが正直にお答えします。
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この記事を書いた人:キャサリン / 宅地建物取引士(登録番号:009673号)/ 賃貸住宅管理業務管理者 / 滋賀・京都エリアで空き家投資を実践中。DIYも得意。実体験と専門知識をもとに、正直な情報だけを発信しています。

