これから空き家購入を考えている方へ向けて役立つ情報をお届けします。
この記事では、空き家バンクで物件を探すところから、現地での内見、そして価格交渉のリアルなポイントまで、実践的な内容を盛り込んでお話しします。
空き家バンクとは?基本をおさらい
まず簡単に「空き家バンク」についておさらいしましょう。
空き家バンクとは、各自治体が地域の空き家情報を収集し、ホームページ等で公開している制度です。所有者が登録し、移住希望者や事業者などに物件を紹介する仕組みで、地方移住の促進や空き家対策として全国的に活用されています。(但し、都市部では空き家物件は、ほとんど出ません)
田舎移住をお考えの方は、利用するメリットは沢山ありますのでぜひ検討されると良いと思います。
近畿圏では、大阪府、兵庫県、京都府、京都市、滋賀県、奈良県、奈良市、和歌山県、の各市町村で独自に運営されていて、補助金制度や移住支援制度が整っています。
空き家バンクに登録されている物件は、比較的価格が抑えられていることが多く、通常の不動産市場では見つけにくい“掘り出し物”が見つかることもあります。土地付きの一戸建てが数百万円で売り出されている場合もあり、移住や田舎暮らしを考えている人には大きな魅力です。空き家バンクは各自治体が運営していて、物件の紹介だけでなく、購入・入居後の生活支援や補助金制度の案内など、地域密着の丁寧なサポートが受けられます。リフォーム費用の一部を助成してくれる自治体もあり、初めて地方移住や空き家活用にチャレンジする人でも安心です。ほとんどの空き家バンクは登録も利用も無料で、手数料が発生しないケースが多いです。不動産仲介会社を通さずに取引ができる場合もあり、コストを抑えて物件探しができます。
実際に空き家バンクで見つけた物件とは?
私が初めて見つけた物件は、滋賀県高島市に登録されていた築約50年の木造2階建ての空き家でした。琵琶湖にほど近く、自然豊かな環境で、価格はなんと200万円。外観は古いながらも基礎はしっかりしており、「これは掘り出し物かもしれない」と思い、内見を申し込みました。

内見のポイント①:事前準備がすべて
内見の際に重要なのは、事前準備です。
★ ①チェックリストを用意する
内見では短時間で多くの情報を得る必要があります。以下のようなチェックリストを事前に準備しておくと、抜け漏れを防げます。
- 基礎や外壁にひび割れはないか
- 雨漏りや水漏れの跡はないか
- 床の傾き、きしみ
- 設備(キッチン、トイレ、風呂)の老朽化具合
- 配管や電気系統の状態
- 近隣環境(騒音、ごみ置き場、道幅など)
私はスマホにこのチェックリストをメモし、内見中に随時確認しました。
★ ② メジャーとライトを持参
古家は照明が暗かったり、ブレーカーが落ちていて電気がつかないことも。私は懐中電灯とメジャーを持参して、寸法を測りながら確認しました。
内見のポイント②:売主や担当者との会話も情報源
空き家バンクの物件は、所有者自身が案内してくれることもあります。実際にこの物件では、元の所有者(高齢のご夫婦)が立ち会ってくれました。
この時に以下のような質問をすると、ネットでは得られない貴重な情報が得られます。
- どれくらい空き家になっていたか?
- 最後に住んでいたのは誰か?
- トラブル歴(シロアリ、雨漏り、火災など)はあるか?
- 近所づきあいの雰囲気
- 修繕歴
実際、私が聞いたところ「5年前に息子夫婦が出てから無人になった」「シロアリの駆除は3年前に済ませた」といった情報が得られ、安心材料となりました。
内見のポイント③:リフォーム費用の目安を考える
購入後に必要なリフォーム費用は、物件価格よりも重要です。
この物件では、キッチンとトイレの水回りがかなり古く、配管も交換が必要なレベル。リフォーム業者に写真を送って概算見積もりを依頼したところ、約250万円という回答でした。
つまり、購入価格200万円+リフォーム費用250万円=総額450万円。
この総額で見てなお割安かどうかを判断することがポイントです。
交渉のポイント①:価格だけでなく条件交渉も
価格交渉は、空き家バンクでも可能な場合があります。
私の場合、交渉の際に提示したのは次の2点です。
- 価格を200万円→150万円にしてもらう代わりに、現状有姿で引き取る
- 家財道具(タンスや古い家電)の撤去は売主側で対応してもらう
担当の市職員を通じて交渉を行い、結果的に価格は据え置きのまま、家財撤去は売主負担という形で折り合いました。空き家バンクは民間業者の仲介とは違い、柔軟な交渉が可能なケースも多いです。
交渉のポイント②:自治体の補助金制度を活用せよ
多くの自治体では、空き家購入や改修に使える補助金制度があります。
たとえば高島市では、
- 空き家改修補助金(上限100万円)
- 移住支援金(単身者で最大60万円)
といった制度があり、条件を満たせば受け取ることが可能です。
申請には「物件契約前の事前申請」が必要なことが多いので、交渉の前に自治体窓口で詳細を確認しておくことが肝心です。
実際に交渉した結果とその後
この物件については、最終的に契約直前で別の買主が現れ、私は購入に至りませんでした。ただ、内見と交渉を通じて得た経験は、次の物件探しに活かせる大きな財産になりました。
また、空き家バンクを使った物件探しは「一期一会」であり、良い物件はすぐに決まってしまうという現実も体感できました。
まとめ:空き家バンク活用のコツ
最後に、今回の体験から学んだ空き家バンク活用のコツをまとめます。
- 気になる物件はすぐに内見を申し込む
- チェックリストを準備して効率的に内見する
- 売主や職員との会話でリアルな情報を得る
- リフォーム費用も含めて総額で判断する
- 補助金や支援制度を必ずチェックする
- 交渉では価格以外の条件も提案してみる
空き家バンクは、工夫次第で理想の物件に出会える魅力的な制度です。自治体や物件ごとに状況が異なるため、常に情報を集め、柔軟に動くことが成功の鍵です。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。もし空き家探しや内見のことでご質問があれば、お問合せでお気軽にどうぞ!