50代・60代から不動産投資を始めるのは遅い?宅建士が正直に教える「最初の一歩」と失敗しないための全知識

不動産投資 不動産投資始め方・ローン
  1. 「今さら不動産投資なんて、遅すぎるかな…」
  2. まず現実を整理:50代・60代の不動産投資、何が違うのか
    1. ローンの条件が厳しくなる
    2. 団体信用生命保険(団信)の問題
    3. 取り戻す時間が少ない
  3. 50代・60代だからこそ持っている「強み」
    1. 強み①:自己資金
    2. 強み②:「人を見る目」
    3. 強み③:「出口戦略」
    4. 強み④:大きな支出が落ち着く
  4. 絶対に手を出してはいけない投資の種類
    1. ❌ 新築ワンルームマンション投資
    2. ❌ 「利回り20%超え!」の地方高利回り物件
    3. ❌ 「サブリース契約付き」の物件
  5. 私が実践している「格安物件×現金投資」スタイル
    1. なぜこのスタイルなのか
    2. 具体的な収益イメージ
  6. 50代・60代が不動産投資を始めるときの注意点
    1. 注意点①:「売却益(キャピタルゲイン)狙い」は避ける
    2. 注意点②:退職金を一気に突っ込まない
    3. 注意点③:「相続」を見据えた物件選びをする
    4. 注意点④:業者の言いなりにならない
  7. 60代からでも遅くない理由
  8. 民泊という選択肢:京都・滋賀・大阪、エリア別の正直な評価
    1. 🏯 京都の民泊:需要は最強、でも規制も最強
    2. 🌊 滋賀の民泊:穴場だが需要の見極めが重要
    3. 🏙️ 大阪の民泊:万博後も需要は堅いが規制転換点に注意
    4. 民泊 vs 通常賃貸、どちらが得か?
  9. 具体的アクション:今日からできること
  10. まとめ:50代・60代の不動産投資

「今さら不動産投資なんて、遅すぎるかな…」

──その迷い、この記事で解決します。

「子育てが終わってようやく余裕が出てきた。老後のために何かしなければと思っているけれど、不動産投資は若い人がやるもの?」

「退職金が入ったけど、銀行に置いておくだけでは不安。不動産投資をしてみたいけど、60代からでも大丈夫?」

「マンション投資の営業電話がかかってくるけど、何が本当で何が罠なのか分からない」

こういったご相談、50代・60代の方からとても多くいただきます。

私自身が不動産投資を始めたのも50代になってからです。宅建士の勉強をして、資格を取って、最初の物件を買うまで、正直なところ「今からでも大丈夫なのか」という不安は常にありました。

結論から言います。

50代・60代からの不動産投資は、「やり方さえ間違えなければ」十分に意味があります。

ただし、20代・30代とまったく同じやり方では通用しません。この年代ならではの「正しい戦略」と「避けるべき落とし穴」があります。

この記事では、

  • 50代・60代が不動産投資をするメリットと現実的なリスク
  • この年代だからこそ使える「強み」
  • 絶対に手を出してはいけない投資の種類
  • 私自身が実践している「格安物件×現金投資」スタイルの全体像
  • 今日からできる具体的なアクション

を、包み隠さずお伝えします。


まず現実を整理:50代・60代の不動産投資、何が違うのか

不動産投資をしている人の年代分布を見ると、実は55〜59歳が最も多く、全体の約22%を占めています。(野村不動産ソリューションズ調査)

50代・60代は、不動産投資の「主役世代」なのです。

ただし、20代・30代と比べると、いくつかの条件が変わります。

ローンの条件が厳しくなる

不動産投資ローンの審査では、「完済時の年齢」が重要な基準になります。多くの金融機関は完済年齢を75〜80歳に設定しており、55歳で借りる場合は20〜25年しかローンを組めません。

30代で借りれば35年ローンが組めるのに対し、55歳では最長25年。同じ物件でも、月々の返済額が高くなります。

さらに、金融機関によっては不動産投資ローンの融資上限年齢を54歳程度に設定しているところもあります。

団体信用生命保険(団信)の問題

ローンを組む際に加入が求められる団信は、健康状態に問題があると加入できないことがあります。年齢が上がるほど、持病などの健康面での問題が発生しやすくなります。

「ローンを組みたいのに、健康上の理由で団信に加入できなかった」という事例も珍しくありません。

取り戻す時間が少ない

20代・30代であれば、投資に失敗しても時間をかけてやり直せます。しかし50代・60代では、大きな失敗をしてしまうと取り戻す時間が限られます。

だからこそ、この年代では「大きく増やす」より「確実に守りながら増やす」戦略が重要です。


50代・60代だからこそ持っている「強み」

ローンの条件が厳しいのは事実ですが、この年代には若い世代にはない強みがあります。

強み①:自己資金

子育てが一段落し、退職金も視野に入ってきたこの年代は、ある程度まとまった現金を持っている方が多いです。

これは不動産投資において非常に大きな武器です。現金で購入できる格安物件を狙えば、ローンの審査も金利上昇の不安も関係ありません。

強み②:「人を見る目」

投資でトラブルになるケースの多くは「業者に言いなりになってしまった」「話が良すぎて信じてしまった」というケースです。

50代・60代は長い社会経験の中で、人の話を聞き分ける判断力が育っています。「なんとなくおかしい」と感じる感覚が、投資の世界でも大きく役立ちます。

強み③:「出口戦略」

若い世代は「将来どうするか」が不透明ですが、50代・60代はある程度「老後にいくら必要か」「何年後に資産を整理したいか」が具体的に描けます。

ゴールが見えているからこそ、逆算した投資計画を立てやすい。これはこの年代だけの強みです。

強み④:大きな支出が落ち着く

子どもの教育費・結婚費用など、人生最大の支出が一段落しているケースが多いのが50代後半以降です。毎月の収支に余裕が生まれ、投資への資金を回しやすくなります。


絶対に手を出してはいけない投資の種類

50代・60代の方が狙われやすい投資商品があります。

❌ 新築ワンルームマンション投資

「節税になります」「老後の年金代わりになります」という営業トークで勧められることが多い新築ワンルームマンション。

しかし実態は、購入した瞬間に資産価値が下がり(新築プレミアムが消える)、管理費・修繕積立金・ローン返済を差し引くと毎月赤字になるケースが珍しくありません。

都心の新築ワンルームは2,000万〜3,000万円台が多く、利回りは表面利回りで3〜4%程度。「節税」の効果も、ほとんどのケースで長期的には損をします。

❌ 「利回り20%超え!」の地方高利回り物件

「利回り30%!」という物件は、なぜその利回りが出るかを考えてください。

人口が急減している地域・誰も住まないような場所・修繕費が莫大にかかる物件だから安い、という理由がほとんどです。

高利回りには必ず「高利回りの理由」があります。その理由を理解した上で買う必要があります。

❌ 「サブリース契約付き」の物件

「30年間家賃保証」という言葉に安心してしまう方が多いですが、サブリース契約は一定期間が過ぎると家賃を減額される条項が入っていることがほとんどです。

過去には多くのトラブルが起きており、国もサブリース規制法(賃貸住宅管理業法)を施行しています。契約内容を宅建士や専門家に確認してもらう前に、絶対にサインしないでください。


私が実践している「格安物件×現金投資」スタイル

では、50代・60代にはどういう不動産投資が向いているのか。

私自身が実践しているのは、「格安物件を現金で買い、リフォームして賃貸に出す」というスタイルです。

なぜこのスタイルなのか

理由①:ローンが不要だから、年齢・健康状態の制約を受けない

200万円以下の格安物件であれば、ローンを使わずに現金で購入できます。ローンがなければ、融資審査も団信加入も不要。50代・60代のデメリットをまるごと解消できます。

理由②:金利上昇の影響を受けない

前回・前々回の記事でお伝えした「金利上昇リスク」も、現金購入なら関係ありません。毎月のローン返済がないので、家賃収入がそのまま手残りになります。

理由③:小さく始めて、経験を積める

最初から大きな物件を買う必要はありません。まず1件、200万円以下の物件で始めて、「物件の選び方」「リフォームの進め方」「入居者付け」を学ぶ。その経験が2件目・3件目に活きます。

理由④:空き家問題の解決にもつながる

使われていない空き家を再生して、誰かが住める家にする。社会的な意義もあるこのスタイルは、単なる金儲けではなく「地域貢献」という側面があります。これが私がこの投資スタイルを続けている、一番大切な理由でもあります。

具体的な収益イメージ

例えば、滋賀県の沿線エリアで物件価格150万円・リフォーム費用100万円の合計250万円で戸建てを取得し、月5万円で賃貸に出した場合、

  • 年間家賃収入:60万円
  • 表面利回り:60万円 ÷ 250万円 = 24%
  • 固定資産税・管理費などを差し引いても、10年以内に投資回収

もちろん、すべての物件でこうなるわけではありません。物件選びとリフォーム計画が重要です。でも、「知識と目利き力があれば現実的な数字」だと、実際に物件を持つ身として言えます。


50代・60代が不動産投資を始めるときの注意点

注意点①:「売却益(キャピタルゲイン)狙い」は避ける

「買って、値上がりしたら売る」という投資スタイルは、50代・60代には向きません。不動産価格がいつ・どのくらい上がるかは誰にも分かりません。失敗した場合に年齢的に取り戻せないリスクがあります。

狙うべきは「家賃収入(インカムゲイン)」の安定した積み上げです。

注意点②:退職金を一気に突っ込まない

「退職金が入ったので不動産投資を始めたい」という方に、特に注意してほしいのがこれです。

退職金は「老後の生活を支える大切な資産」です。その全部または大半を1件の不動産に投じるのは、リスク管理の観点からおすすめできません。

退職金の使い道の一部として、無理のない範囲で始めることが大切です。

注意点③:「相続」を見据えた物件選びをする

50代・60代が不動産投資をするとき、「自分の死後、誰がこの物件を相続するか」まで考えておく必要があります。

子どもが遠方に住んでいる・相続したくないと言っている場合は、管理が難しくなる可能性があります。相続を見据えた物件選びと、家族への事前説明を忘れずに。

注意点④:業者の言いなりにならない

特に不動産の知識が少ない段階では、「この物件は絶対に良い」という業者の言葉を鵜呑みにしてしまいがちです。

宅建士としてお伝えしますが、不動産業者は物件を売ることで利益を得ます。あなたの利益を最優先に考えているわけではありません。

重要事項説明書・契約書は必ず自分で確認するか、信頼できる専門家に確認してもらってからサインしてください。


60代からでも遅くない理由

60代は退職金や長年の貯蓄を活用し、現金一括購入という形で不動産投資を始める方が多い世代です。

実際、総務省の調査では賃貸住宅など現住居以外の住宅を所有する人の割合が最も多いのは60〜64歳の14.7%です。退職金を活用して投資を始める人が多いことがうかがえます。

「60代だから遅い」ではなく、「60代だからこそ使える資金がある」という発想の転換が大切です。

ただし、繰り返しになりますが「現金で買える価格帯の物件」「家賃収入目的」「無理のない規模から」という3つの原則は、この年代には特に重要です。


民泊という選択肢:京都・滋賀・大阪、エリア別の正直な評価

不動産投資の活用方法として、「民泊(短期賃貸)」という選択肢があります。

実は私自身、現在まさにこの選択肢に挑戦しています。亡くなった母が遺した家を民泊として再生するために、今まさに動いている最中です。「相続した空き家をどう活用するか」という問いに、自分なりの答えを出そうとしている当事者として、3エリアの民泊事情を正直にお伝えします。

2026年の訪日外国人数は4,000万人突破が確実視されており、インバウンド需要は引き続き強い状況です。しかし、民泊市場の実態はメディアが伝えるほど「儲かる」とは言えません。宅建士として、3エリアを正直に比較します。


🏯 京都の民泊:需要は最強、でも規制も最強

京都は世界有数の観光都市であり、民泊の潜在的な需要は日本で最も高いエリアの一つです。特に京町家・古民家を活用した1棟貸しは外国人観光客に人気が高く、うまく運営できれば高単価が狙えます。

しかし、京都市では全国でも特に厳格な規制が設けられており、180日規制に加えて繁忙期の営業禁止など、収益化に大きな影響を与える制限が存在します。

具体的には、

  • 民泊新法(住宅宿泊事業法)での営業は年間180日以内
  • 1月15日〜3月15日(繁忙期)は営業禁止(住居専用地域の場合)
  • 近隣住民への説明義務あり
  • 京都府・京都市では特区民泊として開業が認められておらず、民泊新法または旅館業法での開業が必要

繁忙期に営業できないというのは、観光地としては致命的なデメリットです。収益計算をしっかりしないと赤字になります。

向いている人: 旅館業法の許可を取って年間通じて営業したい人、京町家のリノベーションに情熱がある人


🌊 滋賀の民泊:穴場だが需要の見極めが重要

滋賀県は民泊に関する独自の厳しい規制はなく、民泊新法の枠組みで届出をすれば運営できます。京都・大阪に比べて参入障壁は低いです。

ただし、需要の見極めが非常に重要です。

琵琶湖周辺の観光エリア(大津・近江八幡・彦根など)は一定のインバウンド需要と国内旅行需要があります。一方、駅から離れたエリアや観光地でない場所では、民泊の稼働率が極めて低くなります。

滋賀で民泊を検討するなら、「観光地に近い・交通アクセスが良い・1棟貸しができる古民家」という条件が揃った物件が狙い目です。

向いている人: 琵琶湖周辺の観光エリアで古民家を持っている・取得できる人

📝 私自身が母の遺した家を民泊にするまでの実録を、noteで発信しています。「相続した空き家をどうするか」をリアルタイムで記録中です。→ キャサリンのnote


🏙️ 大阪の民泊:万博後も需要は堅いが規制転換点に注意

大阪は国内最大級の民泊市場でしたが、大阪市の特区民泊は2026年5月29日をもって新規受付が終了することが正式決定されました。

今後は旅館業法または民泊新法(年間180日以内)での運営が主流になります。万博後も大阪市内の宿泊需要は堅調ですが、これから新規で始める場合は、以前のような「特区民泊で365日営業」という選択肢は使えません。

向いている人: 大阪市内に物件を持っており、旅館業法の許可取得ができる人


民泊 vs 通常賃貸、どちらが得か?

民泊通常賃貸
収益性高い(稼働率次第)安定しているが低め
手間多い(清掃・ゲスト対応)少ない
リスク規制変更・稼働率リスク空室・家賃滞納リスク
向いているエリア観光地・交通便利な場所生活圏・駅近
50代・60代向き△(管理負担が大きい)◎(安定・管理しやすい)

正直なところ、50代・60代が「副業・副収入」として始めるなら、管理の手間が少ない通常賃貸の方が現実的なケースが多いです。 ただし、観光地に古民家・空き家を持っている場合は、民泊のポテンシャルが高いので検討する価値があります。

2026年は、ルール順守・近隣配慮・清掃品質・緊急対応が整っている施設ほど相対的に勝ちやすくなります。「なんとなく民泊」ではなく、しっかりした運営体制を作れる人だけが収益を上げられる時代になっています。


具体的アクション:今日からできること

まず「自分がいくら使えるか」を確認する

預貯金・退職金予定額・現在の毎月の収支を書き出してください。「投資に使える上限」を明確にすることが最初の一歩です。絶対に「使ってはいけないお金」(生活費・医療費の備え)と分けて考えましょう。

「空き家バンク」で格安物件を検索してみる

各自治体の空き家バンクや、LIFULL HOME’Sの空き家バンク機能で、滋賀・京都・大阪エリアの格安物件を検索してみましょう。「こんな物件がこの価格で出るんだ」という相場感をつかむだけでも大きな前進です。

「新築ワンルーム投資」の営業が来たら、即決しない

電話・訪問・セミナーで新築ワンルームを勧められたとき、その場で決断しないことを今すぐ決めてください。「検討します」と言って資料だけもらい、第三者に確認してから判断しましょう。

宅建士・ファイナンシャルプランナーに無料相談してみる

「自分の場合はどういう投資が向いているか」を、利害関係のない専門家に聞いてみることが、最も効率的な一歩です。

まず「知識」に投資する

物件を買う前に、不動産投資の基本を学ぶことが最大のリスクヘッジです。このブログのほか、宅建士が書いた書籍・信頼できるセミナーなどを活用してください。「知識がある人が得をする世界」である不動産では、勉強が最大の武器になります。


まとめ:50代・60代の不動産投資

不動産投資は「守りながら増やす」が正解

50代・60代からの不動産投資は、遅くありません。ただし、「正しいやり方」で始めることが何より大切です。

  • ローンに頼らず、現金で買える物件から始める
  • 値上がり益より、毎月の家賃収入を重視する
  • 退職金を一気に使わず、無理のない規模から
  • 業者の言いなりにならず、宅建士など専門家の目を借りる

この4つを守れば、50代・60代からの不動産投資は「老後の安心を作る手段」になれます。

私自身が50代から始めて、今こうして続けていられるのは、「焦らず、小さく、確実に」というスタンスを崩さなかったからです。

「今さら遅い」ではなく、「今だからできる」投資があります。


「自分の場合はどこから始めればいいか、具体的に相談したい」という方へ。
宅建士・キャサリンが個別の状況をもとに、正直にお答えします。

👉 相談はこちら


この記事を書いた人:キャサリン
宅地建物取引士(登録番号:第009673号)/賃貸住宅管理業務管理者
滋賀・京都エリアで空き家投資を実践中。50代から宅建士資格を取得し、父の不動産失敗体験をきっかけに正直な情報発信を続けています。