「固定金利にすればよかった…」と後悔する前に。宅建士が教える住宅ローン見直しの全手順【2026年最新版】

金利上昇 不動産の知識

「変動金利 後悔」

今、この検索をしている人がどんどん増えています 。

「変動金利で組んだこと、失敗だったかな」

「夫婦でローンの話になるたびに喧嘩になる」

「金利がまた上がるかもって聞いて、夜も眠れない」

こういった声、最近本当によく耳にします。

住宅金融支援機構の2026年1月の調査では、日銀の金融政策変更により住宅ローン選択に「変化あり」と回答した人が約50%。そして今後1年間の金利について「上昇する」と答えた人は73.7%にのぼっています。

つまり、住宅ローンを持つ人の4人に3人が、金利上昇を不安視しているのが今の日本の現実です。

宅建士として、自分自身も不動産投資と向き合ってきた立場から、正直に思うことをお伝えします。

「変動金利を選んだこと」自体は、今すぐ失敗とは言えません。大切なのは、今の状況を正確に把握して、冷静に次の一手を考えることです。

この記事では、

  • なぜ今「固定にすればよかった」という声が増えているのか
  • 利上げの流れをタイムラインで整理
  • 「このまま変動を続ける」「固定に借り換える」「繰り上げ返済する」3つの選択肢の判断基準
  • 今すぐできる具体的なアクション

を、できる限り分かりやすくお伝えします。

まず整理:日銀の利上げはここまで来ている

「金利が上がった」とは聞いているけど、実際どのくらい変わったのか、改めて確認しておきましょう。

時期出来事政策金利
2024年3月マイナス金利政策解除0〜0.1%
2024年7月追加利上げ0.25%
2025年1月追加利上げ0.5%
2025年12月追加利上げ0.75%
2026年4月据え置き(3名が1%への引き上げを主張)0.75%

約30年続いた「超低金利時代」が終わり、2年足らずで政策金利が0%から0.75%に上昇しました。

そして2026年5月現在、市場では次回6月の会合での追加利上げが高い確率で織り込まれています。今後の見通しとしては、2026年10月に多くの銀行が変動金利を年0.25%程度引き上げる展開が最有力シナリオです。

「上がったのは知っていたけど、こんなにコンスタントに上がり続けているとは思わなかった」という方が多いのが現実です。

なぜ「固定にすればよかった」という声が増えているのか

金利が上がっていることは分かった。では、なぜ今これほど後悔の声が増えているのでしょうか。理由は3つあります。

理由①:「支出増」と「返済額増」のダブルパンチ

住宅ローンは35年以上にわたる長期契約です。その間には子どもの進学、車の買い替え、介護費用など、さまざまな支出が訪れます。

変動金利の場合、「家計支出がピークを迎える時期」と「金利上昇の時期」が重なる可能性があります。

「子どもが高校・大学に進む時期に、ローンの返済額も増えた」となると、家計はダブルパンチです。この現実が見え始めた人から、「固定にしておけばよかった」という声が上がってきています。

理由②:「5年ルール」の落とし穴

前回の記事でもお伝えしましたが、変動金利には「5年ルール(返済額は5年に一度見直し)」と「125%ルール(見直し後も前回の1.25倍を超えない)」があります。

このルールのおかげで、「金利が上がってもすぐに返済額は変わらない」と安心している方が多いです。

しかし、ここに落とし穴があります。

返済額が変わらなくても、利息の割合は増えています。つまり、元本の減り方が遅くなっている。返済を先延ばしにしているだけで、総返済額は確実に増えているのです。

「返済額が変わっていないから大丈夫」と思っていたのに、銀行の明細を見たら元本がほとんど減っていなかった──そんな現実に気づき始めた方から、後悔の声が出てきています。

理由③:「8回の不安」が積み重なる心理的ストレス

日銀の金融政策決定会合は年8回開催されます

変動金利を選んでいると、その都度「今回は上がるかも」という不安が訪れます。

SNSでは「変動金利 やばい」「変動金利 後悔」という投稿が増え、夫婦間の摩擦に発展するケースも見られます。毎回会合のたびに心拍数が上がる、という方も少なくありません。

このような心理的ストレスが、「固定にしておけばよかった」という気持ちを加速させています。

「このまま変動を続ける」「固定に借り換える」「繰り上げ返済する」──どれが正解?

では実際に、今ローンを持っている方はどうすればいいのでしょうか。

結論から言うと、正解は一つではありません。ご自身の状況によって、取るべき選択肢は変わります。

選択肢A:このまま変動を続ける

こんな人に向いている

  • ローン残高が少ない(残り1,000万円以下)
  • 残り返済期間が短い(10年以下)
  • 手元資金に余裕があり、いざとなれば繰り上げ返済できる
  • 金利上昇への耐性が家計的にある

注意点

2026年5月時点での変動と固定の金利差は年1.63%です。変動金利が年1.63%以上上昇し、それが35年間続くのであれば固定金利の方が有利ということになります。

つまり、現時点では「今後さらに1.63%以上金利が上がり続ける」と判断しない限り、変動のままでも合理性はあります。

ただし、「借りすぎていないこと」と「資産運用をセットで行うこと」が大前提です。

選択肢B:固定金利に借り換える

こんな人に向いている

  • 残り返済期間が長い(20年以上)
  • 毎月の返済額を固定して、家計の予測を立てやすくしたい
  • 精神的な安定を優先したい
  • 今後の金利上昇リスクに強い不安を感じている

注意点

今後の金利上昇がない場合、変動と固定の金利差(年1.65%)は毎月の返済額で約2.9万円、総返済額では約1,224万円もの差となります(借入額3,500万円、35年返済の前提)。この総返済額の差が、今後の金利上昇リスク回避の「保険料」として妥当とみなせるのであれば固定金利が良いでしょう。

要するに、「1,200万円以上払っても安心を買いたい」かどうかが判断の分岐点です。

また、借り換えには、諸費用(事務手数料・登記費用など)が通常50〜100万円程度かかります。この費用を回収できるかどうかも計算に入れてください。

借り換えのメリットが出やすい条件は、ローン残高1,000万円以上・残り返済期間10年以上・金利差1%以上が目安です。

選択肢C:繰り上げ返済する

こんな人に向いている

  • 手元に余裕資金がある
  • 借り換えの手続きが面倒、または諸費用がネックになる
  • まずリスクを減らしたい

注意点

繰り上げ返済には「残高が減る安心感」があります。元本が減れば、金利が上がっても利息への影響を小さくできます。

ただし、手元資金を全部使い切ってしまうのは危険です。急な出費(医療・教育・修繕)に備えて、生活費の6ヶ月分は手元に残しておくことが基本です。

「繰り上げ返済か、NISAなどの資産運用か」という選択については、現在の変動金利(約1%)と運用利回りを比較した上で判断することをおすすめします。

借り換えを具体的に検討する手順

「固定に借り換えてみたい」と思った方向けに、具体的な手順をご案内します。

STEP1:現在の適用金利と残高を確認する

まず手元の「返済予定表」または銀行のマイページで、

  • 現在の適用金利(何%か)
  • ローン残高(いくら残っているか)
  • 残り返済期間(あと何年か)

を確認してください。

「自分の住宅ローン金利が何%か」を即答できない方は意外と多いです。まずここから始めましょう。

STEP2:現在の市場金利と比較する

2026年4月時点の主要銀行の変動金利は0.6〜0.9%台、固定金利(フラット35)は2%台前半が目安です。

自分の適用金利が市場より明らかに高い場合は、同じ変動金利のまま他行に借り換えるだけでも効果がある可能性があります。

STEP3:借り換えシミュレーションをする

各金融機関の公式サイトや、住宅金融支援機構の「返済シミュレーション」で、借り換え後の総返済額と今のままの総返済額を比較します。

諸費用(手数料・登記費用)を含めた上で「借り換えが得かどうか」を判断してください。費用を差し引いても100万円以上の差があれば、借り換えを真剣に検討する価値があります。

STEP4:健康状態・勤務先が変わる前に動く

借り換えには新たな審査が必要です。健康状態の変化や転職があると、審査が通りにくくなることがあります。

「いつか借り換えよう」と思っているなら、健康で安定した雇用状態のうちに動くことをおすすめします。

私自身の考え方

私自身は、自分の物件について「融資に頼らない」スタイルを選んでいます。

変動金利の不安から解放される最も根本的な方法は、「借入額を少なくすること」または「現金で買える価格帯の物件を選ぶこと」だと実感しているからです。

もちろん、マイホームを現金で買うことは多くの方には難しい。だからこそ、ローンを組む前の段階で「無理のない借入額かどうか」を宅建士の視点でしっかり確認することが大切だと思っています。

「変動金利で大丈夫か不安」という方の多くは、借入額が収入に対して少し大きすぎるか、手元資金に余裕がないケースが多いです。

不安の根っこにあるのは「金利」ではなく「余白のなさ」であることが多い。そこを正直に見つめることが、解決の第一歩です。

具体的アクション

今日からできること

自分のローンの「適用金利・残高・残期間」を今日中に確認する

返済予定表か銀行のマイページで、3つの数字を書き出してください。

「金利が0.5%・1%上がったら月々いくら増えるか」を計算する

各銀行の無料シミュレーターで5分で計算できます。「漠然とした不安」が「具体的な数字」に変わるだけで、冷静に判断できるようになります。

繰り上げ返済と借り換えの「どちらが自分に合っているか」を判断する

残期間・残高・手元資金の3つで判断の方向性が決まります。迷ったら、まず繰り上げ返済のシミュレーションから始めましょう。

夫婦・パートナーと「金利の話」を一度ちゃんとする

「話し合いたいけど喧嘩になるから避けている」という方もいるかもしれません。でも、共通認識がないまま時間が経つほど選択肢が減ります。今の状況を数字で共有するだけでも、話し合いがしやすくなります。

借り換えを検討するなら、健康・雇用が安定している今のうちに動く

「いつか考えよう」は、借り換えの世界では危険です。審査に影響する条件が変わる前に動くことが大切です。


まとめ

後悔より、今できることに目を向けよう

「固定金利にすればよかった」という気持ちは、今の日本で住宅ローンを持つ多くの方が感じていることです。

その気持ちは正直であり、間違っていません。

でも、過去の選択は変えられません。大切なのは、今の状況を正確に把握して、今できる最善の選択をすることです。

変動のままが正解な人もいる。固定に借り換える方が安心な人もいる。繰り上げ返済が最適な人もいる。

一つの「正解」はありません。あるのは「あなたの状況に合った選択」だけです。

宅建士として、そして投資家として、「不安なまま放置しない」ことだけを強くお勧めします。


「自分の状況だと、どうすればいいの?」
個別の状況をもとに、正直にお答えします。

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この記事を書いた人:キャサリン
宅地建物取引士(登録番号:第009673号)/賃貸住宅管理業務管理者
滋賀・京都エリアで空き家投資を実践中。父の不動産失敗体験をきっかけに宅建士資格を取得。実体験と専門知識をもとに、正直な情報だけを発信しています。